はじめに:非正規雇用でも諦めなくていい
42歳、地方在住、工場の契約社員。
これが私、木村のスペックです。世間的に見れば、決して好条件とは言えません。むしろ「結婚は難しい」と思われても仕方ない立場かもしれません。
実際、私自身もずっとそう思っていました。
「契約社員じゃ相手にされない」 「収入が安定しないから結婚なんて無理」 「40過ぎて非正規じゃ、もう諦めるしかない」
でも、そんな私が38歳の看護師の女性と結婚できました。今、とても幸せです。
今日は、非正規雇用の私がどうやって結婚できたのか、その体験をすべてお話しします。同じように非正規で悩んでいる人に、少しでも希望を持ってもらえたら嬉しいです。
契約社員として生きてきた日々
正社員になれなかった現実
私は20代の頃から、ずっと工場で働いてきました。最初は「いつか正社員に」と思っていましたが、気がつけば40歳を過ぎ、今も契約社員のままです。
私の仕事状況
- 月収:25万円前後(手取り20万円)
- ボーナス:なし
- 契約更新:1年ごと
- 有給:取れるが遠慮がち
- 残業:月20時間程度
決して悪い職場ではありません。むしろ、人間関係も良く、仕事内容も慣れています。でも、「契約社員」という肩書きが、いつも心に重くのしかかっていました。
恋愛を諦めていた理由
30代の頃、何度か恋愛のチャンスはありました。でも、自分から身を引いてしまうことがほとんどでした。
「どうせ契約社員だとわかったら、相手は離れていく」 「将来が不安定な自分と結婚したい人なんていない」 「正社員になってから考えよう」
そうやって先延ばしにしているうちに、40歳を過ぎてしまいました。
孤独と不安の中で
40歳を過ぎると、周りはほとんど既婚者。独身は私を含めて数人だけ。休日は一人で過ごし、将来のことを考えると不安で眠れない夜もありました。
「このまま一生独身なのか」 「老後はどうなるんだろう」 「誰にも看取られずに死ぬのか」
そんなネガティブな思考に支配されていました。
運命の出会い:婚活アプリでの奇跡
なぜ婚活アプリを始めたのか
41歳の誕生日を迎えた時、「このままじゃダメだ」と思いました。正社員になるのを待っていたら、一生結婚できない。今の自分で勝負するしかない。
そこで、勇気を出して地元でも使える婚活アプリに登録しました。
プロフィールに書いた正直な自分
最初は契約社員であることを隠そうかと思いました。でも、嘘をついても仕方ない。正直に書くことにしました。
私のプロフィール(要約) 「42歳、地方在住、工場勤務の契約社員です。収入は多くありませんが、真面目に働いています。派手な生活はできませんが、穏やかな生活を一緒に送れる方を探しています。趣味は読書と散歩。地元の自然が大好きです」
飾らない、等身大の自分を書きました。
彼女のプロフィールに惹かれた理由
そんな時、一人の女性のプロフィールが目に止まりました。
「38歳、看護師。安定収入よりも一緒にいて安心できる人を探しています。夜勤が多く、支え合える関係を築きたいです」
この言葉に、強く惹かれました。収入じゃなくて、人間性を見てくれる人がいる。そう思えたんです。
勇気を出した最初のメッセージ
悩みに悩んだ1週間
彼女にメッセージを送るかどうか、1週間悩みました。
「契約社員の自分なんかが、看護師さんにメッセージを送っていいのか」 「相手にされないんじゃないか」 「恥をかくだけじゃないか」
でも、「このまま何もしなければ、何も変わらない」と自分に言い聞かせ、ついにメッセージを送りました。
送った素直なメッセージ
「はじめまして。プロフィールを読んで、共感することが多くメッセージを送らせていただきました。私は契約社員で、収入も多くありませんが、真面目に生きています。もしよろしければ、お話しできると嬉しいです」
飾らない、素直な気持ちを書きました。
返ってきた温かい返事
翌日、返事が来ました。
「メッセージありがとうございます。正直な自己紹介に好感を持ちました。私も仕事で疲れることが多く、穏やかな関係を求めています。よろしければ、もっとお話ししませんか?」
この返事を見た時、涙が出そうになりました。
初デート:芸術の森公園での出会い
なぜ公園を選んだか
初デートの場所選びも悩みました。高級レストランは予算的に厳しい。かといって、ファミレスでは味気ない。
そこで選んだのが、地元の芸術の森公園でした。入園料は500円。でも、四季折々の花が咲き、ゆっくり散歩しながら話せる。派手さはないけど、落ち着いて話せる場所です。
正直に話した自分のこと
公園を歩きながら、私は正直に自分のことを話しました。
「契約社員で、1年ごとの更新です。収入も多くありません。でも、真面目に働いていますし、借金もギャンブルもしません。質素だけど、堅実な生活をしています」
隠し事はしたくなかった。ありのままの自分を見てもらいたかったんです。
彼女が話してくれたこと
すると彼女も、自分のことを話してくれました。
「夜勤が多くて、生活リズムが不規則。収入はあるけど、使う時間がない。何より、一人でいることが寂しくて。お金より、一緒にいて安心できる人が欲しいんです」
お互いに、素直な気持ちを話せた。それが、とても心地よかったです。
関係が深まっていく過程
デートは地味だけど温かかった
その後も、デートは派手なものではありませんでした。
- 公園での散歩
- 図書館でのんびり
- 道の駅めぐり
- 自宅での手料理
- 地元の祭りや花火
お金はかけられない。でも、一緒にいる時間が楽しかった。彼女も「こういう普通のデートが一番落ち着く」と言ってくれました。
家事を分担する姿勢を見せた
彼女の家に行った時、率先して家事を手伝いました。料理、掃除、洗濯。一人暮らしが長かったので、一通りできます。
「すごい!何でもできるんだね」
彼女の驚きと喜びの表情が忘れられません。収入は少ないけど、家事で貢献できる。それが自信になりました。
相手の話をしっかり聞いた
看護師の仕事は大変です。患者さんのこと、職場の人間関係、夜勤の辛さ。彼女はたくさん話してくれました。
私はただ、聞き役に徹しました。アドバイスはしない。ただ「大変だったね」「よく頑張ってるね」と共感する。それだけで、彼女は「話を聞いてもらえて楽になった」と言ってくれました。
プロポーズ:契約社員のままで
決意した理由
交際を始めて1年。私はプロポーズを決意しました。
正社員になってから、と思ったこともあります。でも、いつなれるかわからない。今の自分で勝負するしかない。そう決めました。
素直な気持ちを伝えた
「僕は契約社員で、収入も少ない。豪華な生活はさせてあげられない。でも、君を大切にする自信はある。一緒に支え合って生きていきたい。結婚してください」
飾らない、素直な言葉でプロポーズしました。
彼女の答え
彼女は少し涙ぐみながら、こう答えてくれました。
「私が求めていたのは、お金じゃなくて安心感。あなたといると安心する。支え合える。それが一番大切。私でよければ、よろしくお願いします」
この瞬間、契約社員であることなんて、どうでもよくなりました。
結婚生活:身の丈に合った幸せ
質素だけど温かい新生活
結婚式は挙げませんでした。新婚旅行も近場の温泉だけ。新居は築30年の2DKアパート。
世間的に見れば質素かもしれません。でも、私たちには十分です。
私たちの生活
- 朝食は一緒に作って食べる
- お弁当を作り合う
- 休日は家庭菜園
- 夜は二人でのんびり読書
- 月1回の外食が楽しみ
派手さはないけど、穏やかで幸せな日々です。
共働きで支え合う
彼女の収入があるおかげで、生活に余裕があります。世帯年収は600万円近く。地方なら十分です。
私も家事を積極的にやります。彼女が夜勤の時は、家のことは全部私がやる。お互いに支え合って生活しています。
正社員を目指しながらも今を大切に
今も契約社員のままですが、正社員登用試験に挑戦しています。でも、それに固執しすぎず、今の生活を大切にしています。
契約社員でも、幸せな家庭は築ける。それを実感しています。
非正規雇用で悩む人へ伝えたいこと
雇用形態より大切なもの
私の経験から言えるのは、雇用形態より大切なものがあるということです。
- 誠実さ
- 優しさ
- 思いやり
- 家事能力
- 聞く力
- 支え合う姿勢
これらは、正社員じゃなくても持てる。むしろ、時間に余裕がある分、磨きやすいかもしれません。
正直であることの大切さ
契約社員であることを隠さなくてよかった。最初から正直に話したことで、それでも受け入れてくれる人と出会えました。
嘘をついて始まる関係より、正直に始まる関係の方が、ずっと強いです。
諦めなければ必ず出会える
40歳を過ぎて、契約社員で、地方在住。条件は良くありませんでした。でも、諦めなかったから今の幸せがあります。
世の中には、収入より人間性を重視する人が必ずいます。その人と出会うまで、諦めないでください。
おわりに:非正規でも幸せになれる
契約社員の私が結婚できた。これは奇跡じゃありません。
正直に生きて、誠実に向き合い、相手を大切にする。それができれば、雇用形態なんて関係ないんです。
今、契約社員や派遣社員で悩んでいる人に伝えたい。
非正規雇用でも結婚できます。 収入が少なくても幸せになれます。 大切なのは、あなたの人間性です。
私ができたんだから、あなたにもきっとできます。
諦めずに、一歩踏み出してください。素敵な出会いが、きっと待っています。
契約社員の私と結婚してくれた妻に、心から感謝しています。そして、これを読んでいるあなたにも、同じような幸せが訪れることを願っています。
雇用形態に縛られず、自分らしく生きてください。それが、本当の幸せへの道だと思います。
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